映画 INVICTUS

インビクタス」負けざる者たち(米) を観ました。

監督:クリント・イーストウッド
キャスト:モーガン・フリーマンネルソン・マンデラ
     マット・デーモン/フランソワ・ピナール

今月、11日はネルソン・マンデラさんの釈放後20周年を迎えた祝賀イベントで91歳になられたマンデラ氏のお姿をニュースで拝見したばかりでした。
27年を監獄で過ごしたマンデラ氏は釈放後の1994年に大統領に就任。翌1995年に南アフリカ共和国で開催されたラグビー・ワールドカップで初出場の南アフリカを優勝に導いたドキュメント映画です。これまではアパルトへイトが国際的非難を浴びてラグビー・ワールドカップから除外されていました。マンデラ氏が大統領になり、アパルトヘイトが廃止されて南アフリカ代表チーム「スプリングボクス」の出場が認められました。
しかし人々の間に根強い人種差別が依然として残されていることに心を痛めたマンデラ氏はラグビーを通じて国民の意識を変えれば、国が一つになると信じて南アフリカ代表ラグビーチームの再建を決意します。実は南アフリカではラグビーは白人の競技で、代表チームのスプリングボクスアパルトヘイトの象徴のような存在で大多数の黒人に嫌われていました。
マンデラ氏はスプリングボクスを応援することで、全国民が一つになるキッカケにしたいと考えました。チームのキャプテン、フランソワ・ピナールを官邸に招き黒人と白人の架け橋となり強いチームを作るように協力を求めます。大統領の言葉にキャプテンは胸をうたれました。そしてチームには黒人の少年たちのコーチをさせます。初めは反発するメンバーたちも徐々に考えを改め、単なるラグビーチームではなく国が一つになるために互いに協力するようになるのです。
マンデラ氏自身許すことが出来る寛大な心の持ち主です。赦しこそがこの国の未来の礎となると説得して、人種間の相互理解を図るのです。マンデラ氏の言葉には説得力があります。そうして奇跡のような優勝という結果につながりました。
最後のニュージランドとの決勝戦は15−12で勝つ事が解っているのですが、体を張った激しいタックルにはハラハラするような迫力があって見応えがありました。白人も黒人も一つの国になった南アフリカの大声援には感動致しました。試合後キャプテンのフランソワ・ピナールが「4300万人の南アの声援のおかげです」と国が一体化したのが勝因だと語りました。