母の絵更紗展

思いがけないきっかけから旧知の「くらしのきもの資料館・あたらし舎」のKさんからお話を頂いて、倉庫に埋もれていました母の絵更紗の作品を展示する事になりました。展示会の後は西宮の武庫川女子大学の資料館に保存して下さいます。
母の作品がこのような形で日の目を見る事になり実は驚いています。

家の片付けかたがた、そろそろ着物やお道具を処分したいと思い「あたらし舎」で引き取っていただこうとお見せしましたら、手描きの更紗絵の帯や着物、額、屏風、小物などは展示をしたいとのお言葉を頂き展示会の運びとなりました。

武庫川女子大学では明治から昭和にかけての女性の生活文化にかかわる資料を集めて、普通の暮らしに蓄積されている様々な夢や幸せの可能性を探求なさっています。
一主婦の趣味で描いていました絵更紗が年を経てこのような形でお役にたつとは夢にも思いませんでした。 
古物商を通して、ばらばらになって見知らぬ人の手に渡る事を思えば、大学の資料館に保管して頂けるのは願っても無い幸せです。


子供の頃からの友人、知人たちが展示会に来て下さいまして、まるで亡き母を囲んだ思い出の会のようになりました。

S田さんは、結婚の時に母がお祝いに差し上げた更紗絵の帯を持って来られて展示、寄贈して下さいました。




母の絵更紗遺作展に来て下さる方達に、何か母にちなんだ物をと考えまして、母の描いた絵更紗の端布を使ってお針袋と来年の干支の兎袋を作りました。
展示会のギリギリまで毎日、毎日慣れないお針仕事に精出して作りました。お裁縫の不得手な私ですが、母に優しく接して下さいました方々を思い出して感謝しながら、一針一針に心を込めて縫いました。

お針袋と来年の干支の兎袋