詩集「くじけないで」

著者:柴田 トヨ 
1911年(明治44年)生
33歳で調理師の柴田曵吉と結婚、翌年、健一を授かる。
曵吉とは1992年(平成4年)死別。以来一人暮らし。
趣味:若い頃は読書、映画、歌謡曲観賞。熟年時代は日本舞踊。現在は詩作。
この詩集は著者が詩を書き始めた平成15年から平成22年までの詩を集めた処女詩集です。



「くじけないで」が評判になっている事は知りませんでしたが、友人から勧められてお借りして読みました。
現在は99歳になって居られるのに、今なお豊かな感受性を持っていらっしゃるのに驚きました。
詩の内容は極く普通の暮らしの中から生まれた日常的な誰しも経験するような事柄ばかりです。その何気ない発想と表現が世代を問わず心に響きます。
みずみずしい感性が読む人を優しく包んで、不思議に詩の中に溶け込んでいくような心地よい気分になりました。
歳を重ねても、身体が衰えても、百歳近くなっても、諦めずにトヨさんのような感性を持ち続けたいと思いました。
それは自分自身の心の持ちようにあるのだと、この本で教えられました。